選定理由 | 夏鳥として府内に生息して繁殖する。繁殖個体数は少なく、近年減少している。 |
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形態 | 全長49cm。翼開長103~115cm。およそハシボソガラス大。体の上面は褐色。白い眉斑があり、喉は白くて中央に黒い縦線がある。下面は白くて胸と腹には褐色横斑があり、胸では密。 ◎近似種との区別 ハチクマは大きくて、翼の前縁から出ている頭部が長い。 |
分布 | 夏鳥として本州、四国、九州に渡来する。府内では繁殖期に一部地域の山林で観察され、少数が繁殖している。 ◎府内の分布区域 全域。 |
生態的特性 | 丘陵地や低山帯の谷沿いに夏鳥として渡来する。林縁部、水田畔、湿地、草地などで、ヘビ、トカゲ、カエル、ネズミ、昆虫などを捕食する。主にアカマツ、スギなどの針葉樹に営巣する。産卵は4月下旬~5月上旬で、産卵数は2~4個。抱卵期間は約30日で、ふ化後36日前後で巣立つ。 |
生息地の現状 | 京都市周辺にあるアカマツ林などでも営巣が確認されており、府内では全域で少数が繁殖していると思われる。比較的低山にある山林と、採食地として重要と考えられる農地や湿地のセットが、繁殖環境として重要と考えられている。 |
生存に対する脅威 | 様々な開発により繁殖地に適した環境が消滅し、餌となる中小動物が減少している。 |
必要な保全対策 | 府内の繁殖環境の情報を詳細に把握する必要がある。 |
文献 日高(監)(1996)、京都府(1993)、高野(1982)
執筆者 須川恒、梶田学