選定理由 | 冬鳥として府内で越冬する。越冬個体数は極めて少ないが、近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長オス80cm、メス95cm。翼開長180~230cm。翼は幅が広くて四角い。尾は短くて少しくさび形。体全体は褐色であるが頭部は淡色の個体が多い。尾は白色。嘴と足も黄色。 ◎近似種との区別 飛翔中オオワシの尾は長いくさび形。 |
分布 | ユーラシア大陸北部で繁殖し、日本でも北海道北部、東部で繁殖する。冬鳥として主に北日本に渡来する。府内では日本海沿岸で時々観察される。 ◎府内の分布区域 北部地域の海岸域。 |
生態的特性 | 日本へは10月に渡来し、北海道で繁殖する一部を残し3月には繁殖地へ去る。魚類を主食とするが、鳥類やウサギ、ヘビも捕食し、屍肉も食べる。北海道では大径木の樹上に営巣し、一腹卵数は1~3卵。雌雄で約1か月間抱卵し、ふ化後2か月ほどで巣立つ。 |
生息地の現状 | 府内では、日本海沿岸のカモ類の渡来地となっている久美浜湾や阿蘇海などへ渡来する。 |
生存に対する脅威 | 久美浜湾ではサーファーや水上バイクが、阿蘇海では野田川河口周辺の改修工事などが、餌となるカモ類を減少させているとの指摘がある。 |
必要な保全対策 | 鳥獣保護区として監視を強める必要がある。 |
関係法令 | 文化財保護法(天然記念物「地域定めず」) |
文献 日高(監)(1996)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、日本野鳥の会京都支部(2013a)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳