選定理由 | 留鳥として年中府内に生息する。繁殖個体数は極めて少ないが、近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長63cm。嘴は太くて長く、足は比較的短い中型のサギ。黒色型と白色型があるが、九州から本州に出現するクロサギは黒色型であり、白色型は南西諸島以南に出現する。白色型は珊瑚礁の分布と対応しているといわれる。 |
分布 | 国外では、東南アジアからオーストラリアに広く分布する。国内では留鳥として本州以南に分布し、東北地方以北では夏鳥で北海道でも記録がある。府内では日本海沿岸や島に分布している。 ◎府内の分布区域 北部地域の海岸域や島。 |
生態的特性 | 岩礁海岸に生息し、磯の波打ち際で魚を待ち伏せする。繁殖期は5~6月で断崖の岩の隙間に小枝を運び込んで巣をつくる。一腹卵数は3~5卵。27日前後抱卵し、ふ化後5~6週間で巣立つ。 |
生息地の現状 | 府内では、北部の海岸や若狭湾の島などで繁殖していると思われるが、個体数は極めて少ない。 |
生存に対する脅威 | 全国的に釣り人の増加が繁殖に悪影響を与えているとの指摘がある。 |
必要な保全対策 | 営巣地となる海岸環境の保全をはかる必要がある。 |
文献 日高(監)(1996)、京都府(1993)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳