選定理由 | 夏鳥として府内に生息して繁殖する。繁殖個体数は少なく、近年減少している。 |
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形態 | 全長36cm。サギ類の中で最も小さい。オスは頭上黒く、体は黄褐色。飛ぶと風切羽が黒く、雨覆は黄褐色。メスは頭上赤褐色。下面に不明瞭な褐色縦斑がある。幼鳥は下面が白く黒褐色の縦斑がある。 |
分布 | 夏鳥として渡来して九州以北で繁殖し、西南日本から東南アジアで越冬する。府内では宇治川や桂川等の河川敷や近くのヨシ原で営巣していたが数は少なく、近年の観察例が減っている。 ◎府内の分布区域 北部地域、南部地域。 |
生態的特性 | 5月下旬に繁殖地に渡来し、ヨシ原やヒメガマの群落などの水面上数十cmの高さに造巣する。一腹卵数は4~7卵。抱卵期間は17~20日で、雌雄とも抱卵と育雛をする。小魚、カエル、エビなどを採食する。関東の低地では数巣がゆるやかな集団で営巣していることが知られているが、府内では単独営巣が多いと思われる。 |
生息地の現状 | 河川敷や休耕田にあった比較的規模の大きいヨシ原で営巣していたが、営巣地となるまとまったヨシ原が少なくなり、ヨシ原が保全されている宇治川向島地区でも観察数が減少している。 |
生存に対する脅威 | 営巣地となるまとまったヨシ原が少なくなっている。 |
必要な保全対策 | 規模だけでなく、質的にもヨシゴイが営巣可能なヨシ原は何か明らかにして保全する必要がある。 |
文献 日高(監)(1996)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、日本野鳥の会京都支部(2013a)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳