ブッポウソウ目 ブッポウソウ科
ブッポウソウ
京都府カテゴリー | 絶滅寸前種 |
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2002年版 | 絶滅寸前種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | 絶滅危惧ⅠB類(EN) |
選定理由 | 夏鳥として府内に生息して繁殖する。繁殖個体数は極めて少なく、近年減少している。 |
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形態 | 全長30cm。ハトより少し小さく、翼は長くてしなやか。頭部はすすけた黒、体は青緑色で、翼には白斑があり飛んだときには目立つ。光線の具合いによっては瑠璃色に美しく輝く。嘴は赤い。足は赤く短い。 |
分布 | ウスリーから中国東北部、インド東部などで繁殖し、冬期は東南アジアなどに渡る。国内では夏鳥として本州、四国、九州に渡来する。全国的に渡来数が減少している。府内では夏鳥として尾越や芦生などへ渡来して繁殖していた。1980年代に営巣情報が少なくなり、近年の営巣情報はない。 ◎府内の分布区域 中部地域、南部地域。 |
生態的特性 | 国内では社寺の境内や、農耕地などに隣接したうっそうとした林に生息することが多い。木の枝から飛び立ってオニヤンマなどの大型昆虫を捕らえるほか、林内を飛び回って幹に止まるクワガタムシやカナブンなどの甲虫やセミを捕らえる。甲虫の硬い外骨格を胃ですりつぶすことができるように、貝殻や瀬戸物片、缶ジュースのプルトップなどを雛に与えることがある。大木の樹洞のほか、木製電柱や橋などの穴に営巣することもある。自分で巣穴を掘ることはできず、大型のキツツキの穴をムササビがさらに大きくしたものなどを使っている。渡来当初には数羽が巣穴の奪い合いをすることがある。また、ムササビとも巣穴を巡ってしばしば争いを起こす。5~7月に一腹3~5卵の純白の卵を産み、メスが22~23日間抱卵する。その後25~31日間育雛する。 |
生息地の現状 | 府内では、尾越や芦生などの、山間の斜面にあるブナ林などの落葉広葉樹林に渡来し、その近くにある少し開けた場所の木製電柱で営巣している例がほとんどであった。1980年代末に、木製電柱がコンクリート化するに従い営巣数が減少し、現在ではときどき渡来例はあるものの、確実な営巣情報は途絶えている。 |
生存に対する脅威 | 直接的には、電柱がコンクリート製に替わるに従って、営巣が見られなくなったが、その背景には営巣木の減少があると思われる。 |
必要な保全対策 | 広島県や岡山県、鳥取県では木製電柱の巣の代わりに、電力会社等の協力を得て、電柱のコンクリート化に際して巣箱を設置することにより、ブッポウソウの営巣の継続、拡大に成功している。広島県などのようなブッポウソウ保護に努めている地域と交流をはかるとともに、府内の過去の分布情報や渡来情報を把握して、巣箱設置を含む個体群回復のための事業を起こす必要がある。 |
関係法令 | 京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例(指定希少野生生物) |