シオミドロ |
学名 | Ectocarpus siliculosus (Dillwyn) Lyngbye |
分類 | 褐藻綱シオミドロ目シオミドロ科シオミドロ属 |
分布 | 内湾部で一般的に見られます。生殖細胞から発芽するときには何かに付着していますが、やがて伸長した藻体が切れて、他の海藻に絡みついたり、海底を漂ったりします。潜水観察していると、石や岩に付着しているものはあまり見られず、ホンダワラ類などの他の海藻に絡みついているものをよく見ます。また、厚さ50cmくらいのシオミドロのマットが砂地の海底を覆うこともあります。 |
生態 | 舞鶴湾などの内湾では一年中見ることができます。本種は藻体が切れても成長でき、常に生殖細胞を作っているので(写真右)、環境条件がよければ急激に繁殖することができます。舞鶴湾では、水温上昇期の梅雨明けごろに多く見られます。 シオミドロの成長が良過ぎると他の海藻に付着し、その海藻の生育を妨げることもあります。海洋センターでは、ホンダワラの種苗生産を行っていますが、シオミドロが多く付着した場合には、手で取り除いてやる必要があります。 このようなシオミドロにも意外な一面があります。シオミドロに付着している細菌の一部は、赤潮の原因となる植物プランクトンを死滅させるそうです。自然界の相互作用は複雑なので、一概に善し悪しを決めることはできないようです。 |
シオミドロの藻体 (2005年4月14日) |
シオミドロの顕微鏡写真 (←は生殖細胞を示す) |