ノコギリモク |
学名 | Sargassum macrocarpum C. Agardh |
分類 | 褐藻綱ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属 |
分布 | 本州の東北地方の太平洋岸を除いた地域と九州および四国に分布しています。低潮線から水深20m位まで生育しており、ホンダワラ藻場の中では、比較的深いほうでよく見られます。 |
利用・生態 | ノコギリモクの葉の形はノコギリのようにギザギザで名前の由来となっています(写真左)。本種は成熟するまで3年かかり、寿命は最長で9年ほどと言われています。京都府を含む日本海沿岸のホンダワラ藻場の主要な構成種となっています(写真右)。 これまで各地でノコギリモクの生産量が見積もられました。能登半島の内湾では8.3Kg-乾重/u・年、山口県の外海域では1.6Kg-乾重/u・年となったそうです。京都府でも調べてみたところ、2.1Kg-乾重/u・年となりました。ノコギリモクの生産量は、他のホンダワラ類よりも高く、陸上で生産量の多い熱帯多雨林などと同程度といえます。また、同じノコギリモクでも海域によって生産量が異なるのは、それぞれの環境の違いを反映していると思われます。 ノコギリモクは上記のように、寿命が長く生産量が多いという特徴があり、安定した藻場をつくることができると考えられます。しかし、ノコギリモクは成熟までに時間がかかり、藻場ができるまでの期間が長くなってしまいます。この点を克服するために、体の一部を切り出してつくったクローンを用いる研究が行われています。この技術は組織培養と呼ばれていて、受精卵由来のものより早く生長・成熟させることができます。 |
ノコギリモクの葉 | 生長したノコギリモク |
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