モズク |
学名 | Nemacystus decipiens (Suringar) Kuckuck |
分類 | 褐藻綱ナガマツモ目モズク科モズク属 |
分布 | 太平洋岸中・南部、日本海岸中・南部、九州、南西諸島などに広く分布しています。京都府沿岸でも舞鶴市から京丹後市まで各地に分布しており、舞鶴市から伊根町まで主に4月から6月まで、丹後半島の北側の京丹後市では4月から8月まで見ることができます。 |
利用・生態 | イシモズクのところでも書きましたが、皆さんが「モズク」と呼ばれて口にされている海藻の多くは標準和名では「オキナワモズク」と言います。オキナワモズクは京都府には分布していません。モズクの仲間には多くの種類があり、京都府沿岸にもモズク、イシモズク、キシュウモズク、フトモズクなど数種類が分布していることがわかっています。今回は京都府の海に広く分布し、丹後地方では馴染みの深い「モズク」(標準和名)を紹介します。 モズクは天然ではヤツマタモク、マメタワラ、エンドウモクの3種類のホンダワラ類にだけ着生して繁茂するといわれています(沖縄地方では死んだサンゴにも着生するそうですが)。この3種類の海藻の上にだけ繁茂する理由としては、これらの海藻の表面の微細な構造がモズクの着生に適しているためであると考えられています。京都府では主にヤツマタモクに着生しており、海洋センターの調査でモズクを探す時には先ずヤツマタモクを探すことにしています。 京都府内ではモズクは4月から8月まで漁獲され、年間10トンから25トンの水揚げがあります。舞鶴市から伊根町にかけては主に5月と6月に水揚げが集中していますが、京丹後市(旧丹後町から久美浜町)では5月から8月まで水揚げが続きます。先にも書きましたようにモズクはヤツマタモクに着生しますので、ヤツマタモクの大部分が枯れて流れてしまうと、モズクも漁獲されなくなります。 モズクは船上から竿の先に鉤(かぎ)状の金具を取り付けた漁具で漁獲され、塩漬けにされた後、300gずつ袋詰めされて出荷されます。丹後地方のお店では、オキナワモズクの横に地元で採られたモズクも並んでいます。両方とも「モズク」として販売されていますが、モズクはオキナワモズクよりも一本一本が細いので見分けることができます。モズクは太い部分でもタコ糸ほどの太さしかありません。塩漬けにされている場合は、真水で塩抜きした後三杯酢などで味付けしてお召し上がりください。オキナワモズクよりきめ細かな舌触りで、少しシャキシャキした歯ごたえを楽しむことができます。 |
ヤツマタモクに着生したモズク | 300gずつ袋詰めされたモズク |
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