マクサ |
学名 | Gelidium elegans Kützing |
分類 | 紅藻綱テングサ目テングサ科テングサ属 |
分布 | マクサは、日本、北朝鮮、韓国、中国及び台湾の沿岸域に広く分布し、ロシアの一部(海馬島)でも分布が知られています。また、日本国内では、北海道の北東海域と南西諸島の一部を除いて全国に分布しています。大きな群落は、栄養塩の供給の多い内湾域に形成されることが多く、京都府では舞鶴湾や京丹後市網野町の浅茂川で年間を通じて見ることができます。 |
利用・生態 | マクサはトコロテンや寒天の材料として有名です。トコロテンは、乾燥させたマクサを湯で煮出した後、冷やして固めたものです。「トコロテン突き」という道具で細い棒状にし、酢や黒蜜を加えて、清涼感あふれる夏場の食べ物として知られています。また、トコロテンを凍結乾燥(昔は、寒い地方の屋外で凍らすのと溶かすのを繰り返して作られていましたが、最近は工場でも作られています)したものが、寒天です。寒天は、羊羹やゼリー等の和菓子の原料や微生物培地の材料として広く用いられていましたが、近年では遺伝子分析や化学分析の実験にかかせない素材として、用途が拡大しています。第二次世界大戦の前には、世界の寒天生産量の9割を日本産が占めていましたが、最近では諸外国から輸入するようになりました。 マクサは、多年生の海藻で寿命は3年程度といわれており、主に春から夏にかけて生長するため、京都府沿岸ではそのころに漁獲されています。また、マクサは、波打ち際から水深15m以深にまで分布し、テングサ場と呼ばれる大規模の純群落を形成します。テングサ場は、マクサの漁場としてのみではなく、サザエやイセエビの稚貝・稚エビの保育場となっています。テングサは、サザエ稚貝のよい餌料となることから、すぐれた放流場所としても注目されています。 |
岩礁上のマクサ天然群落 | マクサの押し葉標本 |
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