イシモズク |
学名 | Sphaerotrichia divaricata (C. Agardh) Kylin |
分類 | 褐藻綱ナガマツモ目ナガマツモ科イシモズク属 |
分布 | 太平洋沿岸南部を除く日本各地に分布しています。京都府では主に水深1〜5mにある転石上に着生しています。イシモズクは夏から冬の間は顕微鏡でしか見えない配偶体世代で、春先に成熟して配偶子を放出します。だから冬の間に波や砂に洗われてイシモズク配偶子の新たな付着面ができるような場所に分布しています。 |
利用 | モズクがホンダワラ類に着生するのに対して、イシモズクはその名のとおり、石や岩の上に着生して繁茂します。北陸から東北の各県では5〜7月に多く漁獲されており、お隣の福井県では年間15〜30トンの漁獲量があり、モズクより高価な金額で取引されているそうです。しかし、京都府では自分達の身近で見たことはあっても、それがイシモズクであり食用とされることがわからず、これまで利用されていませんでした。しかし、海洋センターが分布を調べて漁協に紹介したところ、今年(平成15年)から本格的に漁獲され始めました。イシモズクは船上からのぞきながら道具を使って採る水視漁法や、水中に潜って採る潜水漁法で漁獲されます。漁獲されたばかりのイシモズクは、モズクと違いほとんどぬめりはありませんが、真水の中で揉むんでいるとぬめりがでます。その後、塩漬けにされて出荷されます。 スーパーなど小売店では塩漬けの状態で売られていることが多いので、ボールなどに入れて5分ほど水道水を流しながら塩抜きします。塩抜きしたイシモズクを三杯酢や酢味噌で味付けすると、モズクにはないシャキシャキとした歯ごたえがありおいしく食べることが出来ます。 ちなみにモズクの仲間で京都府のお店で一番よく売られているのは、味付けしてプラスチック容器などに入っている少し太い「オキナワモズク」です。オキナワモズクは多くが沖縄県で養殖されたものです。次に多いのがオキナワモズクより細く、少し歯ごたえのある「モズク」です。これらに続いて、イシモズクが丹後地方の新しい特産物としてみなさんの食卓に並ぶようになればいいのですが。 |
イシモズクは石に直接生えています | イシモズクが繁茂している様子 |
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