エゴノリ |
学名 | Campylaephora hypnaeoides J. Agardh |
分類 | 紅藻綱イギス目イギス科エゴノリ属 |
分布 | エゴノリは、北海道から九州にかけて分布しています。他の海藻のように石や岩などに付着せず、ホンダワラ類の主枝に体先端の鉤(かぎ)を巻きつけたり、体そのもので付着して生育します。このような特徴をもつので、ホンダワラ類が繁茂する日本海側に多く分布し、特に東北地方でよく利用されています。 京都府沿岸のほぼ全域に分布していますが、天橋立のある宮津市江尻から丹後町下宇川にかけてよく利用されているようです。 |
利用・生態 | 海藻を煮出して、その煮汁を固めて利用するものとしては、テングサ類を使った寒天や心太(トコロテン)がよく知られています。エゴノリも同じように利用し、天日乾燥したエゴノリを煮出し、煮汁に少量の酢を入れ、冷まして固めます。好みによって煮汁を濾(こ)す場合と濾さない場合があるそうですが、煮汁を濾さずに海藻を残しておくと粒々の歯ごたえを楽しむことができます。固まったものを「ウゴ」と呼び、短冊状に切って、酢味噌などを付けて食べます。昔はエゴノリが多くとれて、ウゴをおやつに食べていたようですが、最近では少なくなり、法事などの特別な時にウゴが作られるそうです。丹後地方のスーパーでも、トコロテンと並んで、茶色いこんにゃくのような塊で売られています。また全国的にみるとエゴノリは、新潟、佐渡、能登では「エゴテン」あるいは「エゴモチ」の材料として、福岡では「おきうと」の材料として利用されています。 エゴノリの収穫期は、ホンダワラ類が切れて流れる6月下旬頃です。このころ浜歩きをすると、打ちあがった海藻の中にエゴノリを見つけることができます。エゴノリが絡みつくホンダワラ類は、ヨレモク、トゲモク、ジョロモク、ヤツマタモクなどがあるといわれていますが、新潟県ではマメタワラに、青森県ではヨレモクに主に絡みつくようです。私たちが観察したところ京都府ではヤツマタモクに多く絡みついているようでした。 エゴノリの生育量は年変動が大きく、その変動要因を探る研究や養殖試験などが取り組まれています。 |
ヤツマタモクに絡みついたエゴノリ | エゴノリから作られたウゴ |
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