アカモク |
学名 | Sargassum horneri (Turner) C. Agardh |
分類 | 褐藻綱ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属 |
分布 | 北海道東部を除く日本列島のほか、朝鮮半島から香港までに分布しています。京都府では舞鶴湾などの内湾部から丹後半島北部の外海域まで見られます。アカモクは一年で成熟・流失してしまう一年生海藻なので、幼胚が新たに着生する場所がないと生息できません。そのため、新たに設置した基質や波浪による攪乱を受けやすい転石などに多くみられます。 |
利用・生態 | アカモクが属するホンダワラ科海藻には多年生種が多いのですが、アカモクは一年生の種です。そのためアカモクの成長は非常に速く、春から初夏につくられたアカモクの卵の直径は0.3mm(写真左)ですが、わずか1年間で全長が5m以上(写真右)にもなります。 アカモクを含むホンダワラ科海藻は、藻場を形成して魚介類に棲み場や餌を提供するほか、流失したあとでは流れ藻として魚介類の生活に役立っています。たとえば、ブリの稚魚は流れ藻を棲み場として利用していますし、サンマやサヨリは流れ藻に産卵します。海洋センターが流れ藻を調査したところ、春から初夏には流れ藻が多くみられ、このなかにアカモクがたくさん含まれていました。そこでアカモクと他のホンダワラ科海藻の浮力を調べてみると、アカモクの浮力が他種よりも大きいことが分かりました。アカモクの浮力が大きいことや一年で流失してしまう性質はアカモクが流れ藻となりやすいことを示しています。アカモクは、藻場をつくるだけではなく、流れ藻としても重要な役割も担っていることが分かりました。 また、アカモクを食べる習慣は京都府にはありませんが、東北地方の日本海沿岸などでは食べられています。若く柔らかいものを湯通しし酢の物や味噌汁の具にするほか、成熟した生殖器床は粘りがあるので、湯通しし細かく刻めばとろろのようにして食べることができます。このほかにてんぷらにして食べることもできます。 |
アカモクの卵(右上の黒棒は0.2mm) | 成長したアカモク(全長5m) |
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