(4) 新しい標識方法の有効性
ここで、これまで述べた新しい標識方法の有効性について、あらためて次のとおり整理してみました。 ・クルマエビの尾肢(外肢・内肢)は切除しても約1ヶ月後には切除部位が再生しますが、外肢を縦方向に切除して外側部分を取り去ると、90%以上の確率で切除前とは異なる形状に再生し、切除処理を施した個体であることが識別できます。 ・左右の外肢それぞれに切除処理が可能であり、左側、右側および左右両方の尾肢切除の3通りの処理により3群の識別が可能です。 ・切除処理作業は市販の医療用小型ハサミを用いて技術的熟練なしで容易に可能であり、比較的短時間に大量処理が見込めるため、放流種苗の標識方法としてフィールドでの実用化が期待できます。 ・体長50mm以上のクルマエビで切除処理が可能であり、放流種苗にも適用でき、放流後の種苗の追跡調査等により放流効果の実証に役立ちます。 ・切除処理を施した再生後の尾肢形状は屋外でも肉眼で容易に識別でき、水揚現場等での標識個体の発見率の向上が期待できます。また、漁業者等への種苗放流の効果の展示が容易となります。 ・日本各地で毎年大量のクルマエビ種苗が放流されており、有効な標識方法の少ないクルマエビにとって放流現場での実用性の高い本標識技術は全国的な普及が見込まれます。 |
Copyright (C) Kyoto Prefecture. All Rights Reserved.