おわりに
新たな資源管理を始めようとするときには、利害関係などがもととなり実践するに当たり賛否両論に分かれ、実践できたとしてもそこに至るまでには長い年月を要するのが一般的です。底曳網漁業者が先に取組まれているズワイガニの資源管理でも、現在に至るまでには5年以上を要しています。ところが、ヤナギムシガレイの資源管理の場合には、漁業者から調査要望が出され、その結果をもとに検討会が開催されてから、数ヵ月後には14節から9節に、その1年後には7節となりました。このように、話し合いから実践までに多くの時間を要しなかったのは、すでにズワイガニの資源管理の取組を通じて、その有効性を漁業者自身が実感されていること、また強いリーダーシップを持った方の存在があったからだと思います。
今回の思い切った目合拡大の取組により、今後ヤナギムシガレイ資源は多少の変動はみられるでしょうが、高いレベルで維持されると考えられます。さらに、ヤナギムシガレイと同時に漁獲される他のカレイ類にも、その効果が波及することが期待されます。今後は、回復してきた資源を有効に利用することにより、漁獲金額が高いレベルで安定するようなヤナギムシガレイ漁を目指した取組を期待したいと思います。
Copyright (C) Kyoto Prefecture. All Rights Reserved.