おわりに
内湾域に生息するアサリは、重要な漁業資源であることはもちろんですが、最近、アサリをはじめとする二枚貝が水質環境の安定化に非常に役立っていることが明らかにされてきています。つまり、舞鶴湾などの内湾域でアサリ漁業が継続して行われるということは、漁業収益をあげるということだけでなく、湾内に流入する富栄養分を効率よく回収し、水の浄化に役だっていることも意味するということです。このことからも、近年減少傾向にあるアサリをこれからも漁業資源として利用できるようにするために、アサリの資源管理や漁業環境の維持・保全に取り組むことは、内湾域の水質環境を維持していく上で、より重要な意味を持ってくると思われます。このような観点からも、前報(季報56号、平成9年2月発刊)と本報で報告しました舞鶴湾におけるアサリの生活サイクルや漁場環境の実態、さらにはそれらに基づいて現時点で考えられうるアサリの資源管理や漁場造成手法を参考にしていただきながら、今後もアサリ漁業が継続発展していくことを期待します。 なお、データが不足して十分な検討が加えられなかった点や、今後改良すべき点も出てくると思いますが、これらの点についても機会をみて報告していきたいと思います。
最後に、本調査の実施や資料の取りまとめに御協力いただいた舞鶴漁業協同組合をはじめとして、関係漁業者の方々には心から感謝を申し上げます。
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