6.まとめ
雄ガニにも雌ガニと同じように、最終脱皮が存在することが明らかとなりました。最終脱皮は、市場価値が大きく異なる「たてガニ」と「水ガニ」の銘柄を決定する直接的な要因となります。また、そればかりではなく、生殖行動とくに交尾能力と密接に関係しています。さらに、現在の雄ガニの漁獲できる大きさは、死亡するまで脱皮・成長を続けるとの知見にもとづき決定されています。しかし、実際にはそれに至るまでに成長が止まってしまうカニがみられます。雄ガニの漁獲サイズについては、脱皮・成長並びに成熟サイズに関する情報を加味して再検討する必要があるでしょう。このように、最終脱皮の存在は漁業生物学的に大変重要であることが分かりました。これからのズワイガニの資源管理は、このことを考慮して検討されなければなりません。 |
Copyright (C) Kyoto Prefecture. All Rights Reserved.