日本海西部海域では、ズワイガニは主に沖合底曳網および小型底曳網で漁獲されています。当海域のズワイガニ資源は、乱獲などの影響によりかなり悪化しています。そのためズワイガニ漁業には、漁獲できる期間やカニの大きさの制限など、他の漁業ではみられない様々な漁業規制が課せられています。しかし、ズワイガニ資源は依然悪化の状態にあることから、このような漁業規制が資源の回復にとって、十分に機能していないことが考えられます。
京都府では、昭和63年から水産庁補助事業の資源管理型漁業推進総合対策事業により、関係漁業者、水産行政および研究機関が一体となって、カニの生態や漁業実態に適応する新たな資源管理の方策が検討されました。そして、平成2年度にはズワイガニの資源管理指針、平成4年度には資源管理計画が策定されました。この管理計画をもとに京都府沖合のズワイガニ漁場では、「保護区」の造成と並行して、関係漁業者により管理計画が一部実行されています。
本冊子では、上記事業の調査で新たに明らかとなったズワイガニの生態の中でとくに資源管理を進める上で重要と考えられる「雄ガニの脱皮・成長過程と成熟」について紹介します。
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