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ズワイガニは山陰地方では松葉ガニと呼ばれ、その上品な味と姿の美しさから、冬の味覚の王者と称されています。特に、雄の「カニみそ」と呼ばれる肝膵臓(かんすいぞう)は絶品です。
ズワイガニは水深200~400メートル、水温0~2度の光も届かないような海底に生息しており、10回以上も脱皮を繰り返して親ガニになります。カニの横歩きとよく言いますが、実はズワイガニは前にも歩きます。
コッペとかセコとか呼ばれる雌ガニは、雄に比べて体は小さいですが、立派な親ガニです。丹後地方で、昔はコッペをおやつ代わりに食べたという人がたくさんいますが、資源管理が進んで、近い将来にまた夢物語が実現することを願っています。
京都府立海洋センター主任研究員 山﨑淳
(平成16年11月17日、京都新聞掲載)
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