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見た目の綺麗さはクルマエビに負けますが、値が安く甘みがあってフライ向きの大変美味しいエビです。黄土色がかった体色で、体表に短い毛が生えてザラザラしており、丹後ではシラサと呼ばれています。その名のとおり小さいうちは、ヨシの生えているような河口域で生活し、漁場もクルマエビより内湾の泥気の多い所です。
寿命は約1年で、体長13cmくらいに成長し、5~7月頃、主に舞鶴湾など内湾のエビ刺網漁で水揚げされます。
内湾の重要なエビで、昭和50年代には、京都府水産事務所が稚エビを生産し、漁師さん達が中間育成して放流する取組が行われました。 近年は環境の変化や刺網をする漁師さんの減少等により、魚市場でも見ることが少なくなりました。エビ等が育つ内湾の環境を守っていきたいものです。
京都府立海洋センター海洋調査部長 中路 実
(平成21年3月27日、京都新聞掲載)
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