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ウミガメは熱帯・亜熱帯の海に多く分布していますが、アカウミガメなどは対馬暖流に乗って日本海にも回遊し、まれに丹後の定置網に迷い込みます。このとき、漁師さん独特の風習があって、大漁を祈願して迷い亀にお酒を飲ませてから海に帰します。
ウミガメは長寿の象徴とされていますが、実際には世界中で絶滅が心配されるほど数が減っています。その原因として、食材や装飾品目的の乱獲や産卵できる砂浜の減少、漁具等に絡まることによる溺死などが考えられています。
丹後は有名な浦島伝説発祥の地であり、ウミガメとの古い縁を感じさせます。今後もウミガメと共生できる美しい丹後の自然を守っていきたいものです。
京都府立海洋センター主任 熊木 豊
(平成18年12月6日、京都新聞掲載)
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