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体の表面には規則的な褐色の帯が斜めに通っており、これが鷹の羽をイメージさせることから、タカノハダイと呼ばれています。
日本近海では、本州中部以南から東シナ海の岩礁域やサンゴ礁に単独で生活し、海藻や甲殻類などを餌にしています。
日本近海に分布するタカノハダイの仲間には、タカノハダイ(写真上の魚)の他、ユウダチタカノハ(写真下の魚)とミギマキという姿形のよく似た魚がいます。3魚種の見分け方は比較的簡単で、タカノハダイの尾ビレには白い斑点がありますが、他の2魚種にはありません。また、ミギマキの体色は黄みがかっていて唇が赤いことで、ユウダチタカノハとは区別できます。
丹後の海では、いずれの魚種も普通に見られ、時々定置網などで漁獲されています。独特の磯臭さがあるせいか、食用としての人気はいまひとつですが、体表面のユニークな模様は観賞用として好まれ、水族館などで飼育されることが多い魚です。
京都府立海洋センター主任 熊木 豊
(平成19年9月26日、京都新聞掲載)
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