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タイワンガザミはガザミと同じワタリガニの仲間です。ワタリガニの場合、身や内仔のつまり具合から、雌の方が雄より高値で取り引きされています。
ガザミでは雄、雌とも薄緑色なのでその判断が困難で、消費者を惑わしますが、タイワンガザミでは雄の甲の表面は紫色で白い雲状の模様、雌は薄緑色で雌雄の判断が容易につきます。
タイワン(台湾)ガザミの名が示すように主に東南アジアやインド洋などの暖かい海に生息していて、丹後でも夏場に水温が高くなる久美浜湾、阿蘇海、舞鶴湾などに多く、7月頃から刺網で漁獲され、出荷されます。産卵直前なので、内仔の好きな方にはこの時期の購入が良いでしょう。
なお、このカニは、ハサミの先端が交差しているので、刺し網からはずす時などに挟まれるととても痛みを感じます。
京都府立海洋センター主任研究員 濵中雄一
(平成18年9月6日、京都新聞掲載)
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