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秋から冬にかけて、丹後の海に現れるカツオの仲間でマルソウダとヒラソウダがいます。量的にはマルソウダがほとんどを占め、ヒラソウダはあまり獲れません。マルソウダの獲れ方は特徴的で、突然何トンも獲れたかと思うと、翌日には全く獲れなくなるなど、神出鬼没です。マルソウダは体長55cmになりますが、丹後で漁獲されるのは、体長25cm程度の当歳魚です。魚体が細長くてツヤがあるため「ロウソク」と呼ばれており、実物を見ると、なるほど「蝋燭」だなと漁業者のセンスに感心します。この「ロウソク」は、鰹節の一種「宗田節」の原料です。ヒラソウダは、マルソウダに比べて漁獲サイズが大きく、鮮魚として流通しています。
漁船の上でヒラソウダの刺身を食べたことがありますが、新鮮で、大変美味でした。
京都府立海洋センター主任 久田哲二
(平成21年2月13日、京都新聞掲載)
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