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頭から尾にかけて縞が入り、一見高級魚のイサキに似ていることからこの名前がついたのでしょうか。しかし、イサキとは別種で、類縁種でもありません。
釣り上げるとうきぶくろを使って「ぐうぐう」と鳴くことから、丹後ではうたうたい、うとたなどと呼ばれています。
河川水の影響のある河口や内湾などに生息しています。あまりまとまって獲られることはなく、味もイサキよりもかなり劣るとされ、市場でも雑魚として扱われています。しかし、産卵期の夏場には脂がのってかなり美味しい魚です。
高級魚ではない安い魚でも、その魚の旬には非常に美味しいというものは他にも多く、そうした魚を食べた時なぜか幸せな気持ちになります。
京都府立海洋センター主任研究員 藤原正夢
(平成18年11月1日、京都新聞掲載)
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