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サルパとはゼラチン質の動物プランクトンで、一見クラゲの仲間のようですが、実はホヤの仲間です。この仲間の生活形態には、単独型とお互いが鎖のように連なる連鎖型の二つの形があり、1メートル以上連鎖したものが、まるで1匹の蛇のようにくねくねしながら浮遊する姿を見かけることがあります(写真は長い連鎖が切れて、2個体になったものです)。
サルパは時々大量発生して漁網を目詰まりさせるので、漁師さんにとってはやっかい者ですが、私たちの食卓に上がるサバやカワハギのほか、マンボウ、ウミガメなどにとっては大切な餌の一つであり、海の生態系を支える多種多様な生き物たちの中で、その一翼を担っています。
京都府立海洋センター主任 熊木 豊
(平成19年1月17日、京都新聞掲載)
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