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ニジカジカは、島根県および宮城県以北~北海道の沿岸やオホーツク海に分布します。体に白や茶の水玉模様がみられ、鰭にはくっきりした縞があります。体長は30センチくらいで、大きな口で小魚などを丸飲みします。丹後では笹ガレイなどとともに底曳網で漁獲されます。磯釣りなどでみかけるそっくりのカジカは、近縁種の「ベロ」です。鰓蓋の棘が一本で長ければベロで、ニジカジカは短くて3~6本に枝分かれします。ニジカジカは、春に産卵のため浅瀬の岩礁域へ移動します。雌は雄が作った岩場の縄張りに、びっしり黄色い卵を産み付け、卵はふ化するまで雄によって守られます。
頭に棘、体にはヌメりがあり、知名度も低い魚ですが、三陸地方では、唐揚げ・煮付け・汁物によいとされる美味食材です。
京都府立海洋センター技師 藤原邦浩
(平成20年8月6日、京都新聞掲載)
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