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ミルクイは内湾の海底に生息する大型の二枚貝で、全国的に漁獲量も少なく入手が困難な最高級貝です。丹後ではなじみが少ないですが、トリガイの育成コンテナに幼生が着底して育った天然稚貝がしばしば見られることから、丹後の海にもひそかに生息しているのでしょう。
水管が大きく発達したミルクイは、アサリなどのように殻をうまく閉じることができません。この水管に海藻のミルをつけ、ミルを食べているように見えたことが名前の由来と言われています。しかし、フジツボ類やシロボヤが付着したものはよく目にしますが、残念ながら今までに「ミル食い」は見たことはありません。
最高級貝であるミルクイの安定生産を目指して、現在までに全国の多くの水産試験場が取り組んできましたが、いまだに成功していません。
(平成24年2月1日 藤原正夢)
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