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まるで、生きた化石といわれるシーラカンスを彷彿させる写真の魚は、マツダイといいます。
この魚は、南日本など世界中の熱帯から温帯の暖かい海に生息し、稀に対馬暖流にのって丹後の海にも回遊してきます。
幼魚は流れ藻に付き、体を横に向けて枯れ葉そっくりに擬態(ぎたい)して表層を漂い、外敵から身を守りつつ、流れ藻の中の小魚などを効率よく捕食します。そして、成魚になると沖合の深みへ移動し、最長1メートルくらいの大きさになるといわれています。
マツダイは、古代魚のようなグロテスクな風貌とは裏腹に、刺身やすしネタとして利用できるほどの淡泊な白身魚です。
京都府立海洋センター主任 熊木 豊
(平成19年2月28日、京都新聞掲載)
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