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冬の丹後地方の代表的な味覚としては、松葉ガニとマカキをあげる人も多いことでしょう。
カキの養殖は、紀元前のローマ帝国時代にすでに始まっていました。日本では1600年代の江戸時代に広島湾周辺で、京都府内では明治中ごろから久美浜湾で始められたと言われます。
このカキと人間との長い付き合いは、単においしいからだけでなく、健康食品として、カキの栄養価が高いことを、昔から経験的に知っていたからではないでしょうか。体の活力の源と言われているグリコーゲンやビタミン、鉄や銅などのミネラル分、また肝臓の働きを助けるタウリンなども多く含んでいます。
カキなべと熱燗で少々飲み過ぎても、悪酔いしないゆえんでしょう。
京都府立海洋センター所長 桑原昭彦
(平成16年11月3日、京都新聞掲載)
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