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その昔、天橋立近くの海で、黄金の酒だるを舟に乗せ酒盛りをしていると、ふとした拍子に酒だるを海へ落としました。網で拾い上げようとしたところ、酒だるのかわりに黄金に輝くイワシで大漁になりました。大変おいしく「金樽(きんたる)いわし」と呼ばれました。
こんな伝説の残る丹後のマイワシ。近年、資源の激減のため庶民の味から高級魚へと変身しました。気候の変動によって、マイワシと餌の植物プランクトンの関係が悪化し、稚魚の生存率が悪かったためと考えられています。
環境要因により変動する現象は「魚種交代」と呼ばれ、周期的に起こるといわれています。日本近海ではマイワシに代わりサワラなどの資源が増えています。
京都府立海洋センター海洋調査部部長 角田孝一(現在、京都府水産事務所)
(平成17年1月4日、京都新聞掲載)
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