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マダラは、亜寒帯冷水域の北日本沿岸を中心に分布し、京都府沖は分布の南限にあたります。京都府では冬に底曳網で稀に漁獲されます。鮮度落ちが早く、長距離輸送が難しかったころ、京都では珍しいものを例えて「京の生鱈」と言ったほど貴重な魚でした。今では保冷・輸送の技術も発達し、京都でも北海道・東北産のものが流通しています。
マダラは冬の産卵期に浅場へ移動してきますが、通常は水深数百メートルの冷たい深海で生息しています。深海魚らしく身は白く、その味はあっさりとし、それでいて大変旨みもあり、鱈鍋やムニエルとして広く食べられています。マダラは、オキアミ・エビ・カニ・イカ・魚などを「たらふく」食べます。そのためか成長も早く、4歳で体長60センチ・体重3キロにもなります。大きな親魚の体にみられる金色と褐色の独特の「まだら模様」がマダラの名前の由来とも言われています。
現在、日本海のマダラ資源は低いレベルで推移しています。おいしいマダラの資源量の回復が待ち遠しく思われます。
京都府立海洋センター技師 藤原邦浩
(平成19年3月7日、京都新聞掲載)
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