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日本海に大量に出現し、底曳網や定置網に多大な被害をもたらす大型クラゲ。毎年夏頃になると、今年の発生・出現状況はどうかといった問い合わせが様々な方面から寄せられます。大型クラゲは、これまでも散発的に出現していましたが、過去10年間でみると実に6度も大量出現しており、もはや常態化しつつあります。
海洋センターでは、この海の厄介者に対して、漁業者の皆様が迅速な対応をとっていただけるように、東シナ海や黄海などにおける初期の出現情報や日本全国の出現状況を収集し、大型クラゲ情報として発信しています。併せて、定置網などへの入網状況報告を漁業者の方にお願いして、京都府沿岸の詳細な情報も逐次収集し、提供しています。
さらに、海洋調査船平安丸による目視調査も行って、警戒しています。目視調査では、沖合まで一面を覆い尽くす大型クラゲの群れに遭遇した年もあり、その時には暗澹たる気分になってしまいました。今年は幸いなことに、昨年に続いて大型クラゲの出現量は非常に少なく、平安丸のブリッジから眺める景色も普段どおりの美しい丹後の海でした。
「今年は大型クラゲが出そうかい?」と不安げに尋ねられる漁業者の方に、「今年は大丈夫そうですよ」と答えると、とたんに安堵の表情に変わり、こちらもホッとします。しかし、大型クラゲの大量発生については、その原因も特定されておらず、発生を抑制するような抜本的な対策もありません。しばらくは警戒を怠らずに対処するしかないようです。
(漁海況・定置担当)
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