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マトウダイ科の魚で最大で50センチに達し、マトウダイとはオデコが凹んでいる、体の中央にある斑紋が不明瞭であるという点で区別することができます。水揚げ直後の新鮮な魚体に限れば、そのような細かい点を見比べるまでもなく、両種の違いは一目瞭然です。ややくすんだ色のマトウダイに対して、カガミダイはその名が示すように、体が鏡のように美しく輝いています。丹後ではギン(銀)バトと呼ばれ、英語でもミラー(鏡)ドーリィ(マトウダイ科の英語)と呼びます。この鏡のような魚皮は、アジのサビキ釣り用の擬餌針として用いられることもあります。
生息場所はマトウダイよりもやや深い泥底の海域です。丹後海周辺にはあまり多くいないので、専門に狙う漁業はなく、底曳網や定置網等で稀に混獲される程度です。 味はマトウダイ並ともやや劣るとも言われますが、和洋中様々な料理で美味しく賞味することが出来ます。
京都府立海洋センター主任 宮嶋俊明
(平成20年2月13日、京都新聞掲載)
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