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イトヨリダイはピンク色の体色で、頭の後方から尾鰭にかけて7、8本の黄色い線があり、またしっぽの上側の先が糸状に長く延びている、大変美しい魚です。
名前の由来は泳いでいる時、「黄色い線がきらめくように見え金糸を撚るようだから」、「長く伸びたしっぽの先が、糸のように旋回するように見えるから」と言われており、漢字では「糸撚魚」とか「糸縒魚」等と表されます。
この魚、100メートル前後までの砂泥底に棲み、ヨコエビ等の小型の甲殻類を食べています。丹後では、主に延縄や小型底曳網で漁獲され、アカアマダイやキダイと混じって出荷されていますが、その量は多くありません。やや水分が多いのですが、淡泊な白身で、煮付けて美味しい魚です。
京都府立海洋センター主任研究員 濵中雄一
(京都新聞掲載)
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