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イソガニは丹後の磯で普通に見られる甲羅の大きさ3cm前後の小型のカニです。この仲間には良く似たものが多く、見分けるにも少しコツが必要です。
天の橋立周辺を例にとると、宮津湾側の水中の転石の下には、写真のような黄土色と紫色の縞模様のイソガニや、甲羅のふくらみがなく平たいヒライソガニが隠れています。内湾の阿蘇海側の天然カキの間には、鋏の付け根に細毛が密集して生えているケフサイソガニが多く見られます。体色が一定のイソガニに比べ、ヒライソガニとケフサイソガニは体色変異が大きく、体色では区別がつきません。なお、水面上の岩の隙間にいるのは、気性の荒いイワガニです。
水ぬるむ天気の良い休日に、図鑑片手に長靴はいて、磯を散策されてはいかがでしょうか。
京都府立海洋センター主任研究員 藤原正夢
(平成21年3月13日、京都新聞掲載)
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