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餌となる魚介類をくわえとるための歯を持つクジラのことをハクジラといいますが、イルカは成体の体長が1~5メートルくらいの小型のハクジラの一般的な呼び名です。
イルカといえば、暖かい大海原をゆうゆうと泳いでいるイメージがありますが、実は丹後の海にもカマイルカやハンドウイルカなど数種のイルカが餌となる魚やイカを求めてやって来ます。
調査船で海洋観測をしていると、ときに百頭以上の群れに出会うことがあり、海面を次々とジャンプしたり、走る船のすぐ横を船首から出る波に乗って泳いだりする光景は、まさにイルカショーのようです。
なかには、勢い余ってか定置網に迷い込んでしまうそそっかしいイルカがいます。そのほとんどは漁師さんの手によって網の外へと放されますが、水族園に保護され、生来の愛嬌と人なつこさから園内の人気者になるイルカもいるそうです。
京都府立海洋センター主任 熊木 豊
(平成19年8月1日、京都新聞掲載)
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