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モエビ科の仲間で、全体に殻は硬く、頭胸甲の上部に鋭い棘が4本、腹部外側にも鋭い棘を持つことからこの名がつきました。体長は15センチ程度になり、この仲間では大型の部類に属します。棘のイメージが強いことから、丹後では鬼エビと呼ばれます。ちなみに英語では「棘だらけ」という意味のspinyが使われています。
日本海からオホーツク海、ベーリング海から北極海にまで広く分布します。日本海では水深200~300メートルの海底に生息し、底曳網でズワイガニなどと一緒に水揚げされますが、量的には少なく珍重されています。海底ではモエビの特徴でもある尾を頭よりも高く上げ「しゃちほこ」のような姿勢をとることもあります。見た目は良くありませんが、刺身、塩焼きにすると大変美味しいエビです。
京都府立海洋センター主任研究員 山﨑 淳
(平成20年4月16日、京都新聞掲載)
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