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刺身にすると甘味があることから甘エビと呼ばれます。体は鮮やかな赤橙色、赤く長い額角と触角が特徴です。この外見が熟した唐辛子に似ていることから南蛮エビという地域もあります。日本海からベーリング海やカナダ西岸に広く分布し、日本海では水深二百~千メートルの深海底に生息します。丹後では底曳網で年間1トン前後が水揚げされています。
3歳までは未成熟で、3~5歳でまず雄として成熟、その後に性転換し、6歳以降は雌として成熟し産卵します。食用となるのは、その大きさから全て雌といえます。産卵後はふ化するまでの間、卵をお腹に抱えますが、このエビがいわゆる「子持ち」です。以前から、外見ではなかなか見分けがつかない近縁種が、グリーンランドなどからたくさん輸入され、流通しています。
京都府立海洋センター主任研究員 山﨑 淳
(平成20年6月25日、京都新聞掲載)
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