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丹後のハタハタ漁は早春から春にかけてが盛期で、底曳網により行われています。今春は豊漁となっており、3月の水揚量は1ヶ月で188トンを記録し、漁獲資料が整理された平成2年以降の最高値となりました。
水揚げの主体は体長14センチ前後の2歳で、この頃になると雌雄で成長差がみられ、雌が雄に比べ1センチ程度大きくなります。これらは18年産れで、産れた量が例年に比べると多く、稚魚の時期の生残りも良かったことが豊漁の要因と考えられます。逆に魚体の大きさは、例年に比べやや小さいのが特徴です。
丹後の底曳網では、網の目を大きくして体長10センチ前後の1歳や2歳でも小型のものを網目から逃がし保護しています。来春にはもうひと回り大きい3歳の水揚げを期待したいものです。
京都府立海洋センター主任研究員 山﨑 淳
(平成20年5月21日、京都新聞掲載)
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