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「白バイ」という呼び名を持つ肉食性の巻貝。水深180~500メートルの海底に生息し、昼間は泥の中に潜っていますが、夜間にはエサを求めて活発に動き回ります。サバを取り付けた水中ビデオカメラを潜水させたところ、柔らかい泥で覆われた海底には、エッチュウバイの這った跡が多くみられ、数分後には多くのエッチュウバイがサバに群がる様子が観察されました。
丹後では主に、底曳網でズワイガニと一緒に漁獲されますが、肉食性を利用して、サバを餌にしたバイ籠という漁法でも漁獲されています。
仲間には、やや大きいオオエッチュウバイ、小振りのツバイ、色が赤っぽいエゾボラモドキのほか、水深20メートルまでの浅い海に棲む茶褐色で斑点のあるバイがいます。これらは、すべて食用になり、味の良さには定評があります。エッチュウバイについては、茹でて柔らかい身を味わうのもいいですが、刺身でコリコリとした食感を楽しむのもお勧めです。
京都府立海洋センター主任 宮嶋 俊明
(平成19年10月3日、京都新聞掲載)
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