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ババガレイは、水深150メートル前後の海底を底びき網で調査すると、数尾採集されます。体は黄褐色で、強いヌメリがあります。口は小さく、海底の泥から探りあててゴカイ類などを食べます。大きいものは、体長60センチにも達します。
東北や北海道ではナメタと呼ばれ、身が絹のように柔らかで煮付けにする絶品のカレイとして人気があります。また、宮城県では大晦日に食べる「歳とり魚」とされ、高値で取引されています。丹後では、底びき網でわずかに漁獲されるだけで量的には少なく、店頭でみることはほとんどありません。ヌメリがあり身も柔らかく、扱いが難しいので、市場で敬遠されるのかもしれません。このように、食べる習慣のなかった魚も上手に利用してもらえるよう、今後も情報を発信して参ります。
京都府立海洋センター技師 藤原邦浩
(平成20年7月2日、京都新聞掲載)
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