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アカカマスは温暖な海に広く分布し、初夏になると、産卵をひかえた群れが西方から丹後の海にも回遊してきます。初期の成長は早く、6月~8月頃にふ化した稚魚は、その年の秋には体長20センチ前後になり、成魚に混じって定置網で漁獲されるようになります。
近年、アカカマスと姿形がそっくりで、背中や口内に赤みを帯びていないヤマトカマスが豊漁になることもあります。丹後の魚市場では両種を区別しない場合が多いようですが、一般にアカカマスの方が、ヤマトカマスよりも脂の乗りは良いとされています。
アカカマスの淡泊で上品な白身は色々な料理法に合いますが、魚肉の水分が70~80%と多いので、なかでも干物が好まれています。
京都府立海洋センター主任 熊木 豊
(平成19年1月31日、京都新聞掲載)
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