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北太平洋を広く回遊し、日本ではスルメイカに次いで多く漁獲されているイカです。従来、日本海にはほとんど分布しないと考えられていました。しかし、京都府の定置網で毎年漁獲されていることが平成7年に分かり、研究者の認識が改まるところとなりました。
体はスルメイカに比べてはるかに大きく、外套長50cm位にまで成長します。腕(イカ・タコの足は変形して腕になっている)には泳膜と呼ばれる薄い膜があり、長距離を移動するのに適しています。
古い図鑑では、標準和名を「ばかいか」としていることがあります。不適切な表現であることから、名前が変更されました。ただし、アカイカの名はあまり有名ではなく、兵庫県ではソデイカを「赤いか」、福井県ではケンサキイカを「赤いか」と呼ぶのでますます混同されてしまいます。スーパーでは「紫イカ」として冷凍ロールで販売されており、食べた人も多いと思います。値段も安く、冷凍しても味が落ちない食材なので外食産業でもよく使われています。
京都府立海洋センター主任研究員 和田洋藏
(平成20年3月5日、京都新聞掲載)
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