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長く伸びた額角に白いひげが特徴的で、体側には4~5本の真っ赤な縦じまを持つことからスジエビと呼ばれています。丹後では底曳網でズワイガニやアカガレイなどと一緒に獲られています。
刺身でお馴染みのホッコクアカエビ(甘エビ)と同じように、まず雄として成熟し、その後雌に性転換して産卵します。あまり多くは出回りませんが、スーパーで売られているモロトゲアカエビは、その大きさから全て雌といえます。
水深200~400メートルの海底のちょっとした窪みや沈木などの陰に数匹から数十匹でかたまって生息し、それほど活発に動きまわる様子はみられません。丹後の海に設けられたズワイガニ保護区の中の魚礁も、モロトゲアカエビの格好の棲みかとなっています。
京都府立海洋センター専門員 辻 秀二
(平成18年2月22日、京都新聞掲載)
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