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コンブの仲間の多年生海藻です。一年目は茎の先に笹のような葉を付けた形をしています。その葉の基部両縁から側葉と呼ばれる葉が次々と伸びるにつれて、1年目の葉は枯れて短くなり、ついには、茎の先端で二股に分かれたような形になります。二股かどうかを見れば、よく似たクロメとも区別できます。
京都市内では、お盆の頃にアラメを煮て食べる風習がありますが、その多くは伊勢地方で採られたものです。細かく刻み、乾燥させた状態でスーパーなどでも販売されています。少年時代、故郷の丹波地方でもお盆の頃になると、真っ黒なアラメの煮物が食卓に並んだことを思い出します。コンブより柔らかくておいしかったですが、恥ずかしながら、当時は海藻とは知らずに食べていました。
京都府立海洋センター 技師 西垣友和
(平成18年1月25日、京都新聞掲載)
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