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丹後で獲れるエビ類には、姿形が美しく美味なクルマエビや甘エビなどがあります。それに対し、クロザコエビとトゲザコエビは、厳つい顔でぶかっこう、体は茶褐色で決して美しいとはいえません。
土エビ、泥エビと呼ばれるように、深い海の泥深い海底に生息しており、ズワイガニなどと一緒に底曳網で水揚げされています。
丹後沖では水深220m付近を境に、それよりも浅い方にはクロザコエビ、深い方にはトゲザコエビというように、すみわけをしています。トゲザコエビは水深1000mを超えるような深海にもみられます。
両種は市場や店頭ではとくに明確には区別されていないことが多いようです。見かけはあまり良くありませんが、刺身にすると甘エビよりも甘く、とても美味です。
京都府立海洋センター主任研究員 山﨑 淳
(平成18年3月29日、京都新聞掲載)
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