「第3回配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護・自立支援に関する計画(第3次)改定に係る意見聴取会議」開催結果について
- 平成30年11月19日(月曜日)午前10時から午前12時
- 京都府福利厚生センター
出席委員
中村委員、桐野委員、井上委員、大島委員、桑原委員、芹澤委員、野田委員、冨名腰委員、本郷委員、三木委員、入澤委員、佐原委員、田尻委員、中川委員
(欠席)田原委員
議事内容
1. 報告
- 計画改定に係る中間案について
- 今後の会議予定について
2. 質疑応答、意見交換(各委員主な意見等)
- 市区町村によって支援措置が違うという課題がある。また、相談先と住居が異なる場合等による、市区町村間連携や調整について具体策はあるのか。
- 女性の被害者が多い中、男性被害者・加害者の対応をするにあたり、研究などの裏付けの必要がある。
- 女性被害者を引き続き重大視しながらも、サイレント状態(相談にも行けず抱え込む状態)になりやすい男性被害について、ジェンダーの視点をもって、社会の変化とともに対応する必要がある。
- 被害と加害は、気づき含め対策についても表裏一体である。単に加害者プログラムを実施しますという意味にならないよう書き方に留意が必要。学校以前の家庭内教育や思春期ならではの問題に目を向け、性やパートナーシップ、仲間関係(フレンドシップ・ピアシップ)等の広い意味を捉えた視点が加害者対応には必要ではないか。
- 加害者が男性のみであるかのような書き方にならないよう注意して欲しい。
- 警察の検挙数は直近5年で増加している一方、相談件数は横ばいの中、適切な対応のためには関係機関の役割分担が重要であると思うので、関係機関の連携強化について具体的に書き込んで欲しい。
- デートDV啓発の具体案はあるのか。特に、小・中学生向けの啓発について、教育委員会と調整していることはあるのか。
- 民生児童委員にDVの相談があるなど、相談の入り口が多様化している。適切な窓口に案内ができるよう、関係機関の共通認識、連携が重要である。
- 府内の市区町村におけるDV相談センターの設置が望まれる。
- 一時保護等の被害者対応だけでは、根本的なDV問題解決にはつながらない。小学校から暴力はダメという教育をしなければ、加害の防止することもできない。
- 日本はDV被害への気づきが鈍い。アメリカでは小学校から性的同意について教育している。小さい時から「NO」といえる、起こってからでは遅いという認識をもつことが必要。
- 女性の加害者が、男性被害者からの抵抗を受けたことに対して、自らがDVを受けていると主張する人がいる。また、妻の精神疾患が原因で、暴力を受ける男性被害の事案もある。
- 子どもに直接的な被害がない場合(面前DV)の面会支援の在り方について配慮されるべき。
- 面会交流のための講座(子どもから会いたいと思い続けてもらえる父親講座)を提案している。面会交流の支援方法を記述してはどうか。
- DV問題は被害・加害が繰り返され、相談・支援員も疲弊してしまう。相談・支援員のフォローも必要。
- DVの解決の形は人それぞれ。特に、当事者同士でも、離れる選択が良いと思っていても、その他の不安要因により安易に選択できない場合がある。この場合、再発しがちであるため、長期的な支援体制が必要。また、そのような支援ができる相談員や支援者の教育が必要。
- 発達障害による加害が目立つ印象。通常の加害とは異なる対応が必要。様々なケースを調査し、個別ごとの対応へとつなげて欲しい。
- 夫から妻への精神的暴力があるが、妻本人は気づかず問題なく生活している、しかし、子どもはストレスを感じているケースがある。この場合の子どもの相談先がない。
- 高齢者や障害者は専門機関につなげられるが、子どもは児童相談所につないでも具体的な暴力が発生していないと相手にされない場合もある。また、DVとまではならない潜在的な家庭問題について相談・対応する先がない。
- 子どもはDVに気づいていない・分からないと思っているが、子どもは認識していないふりをしているだけ。本当は傷ついている。子どもの話を聞く環境が必要。
- 子どもに与える影響について、大人・保護者がもっと認識することが重要。
- 子どもの面前で暴力行為を行った保護者への指導支援強化を盛り込んでいるが、想定される取組はどのようか。
- ストーカー被害とは違い、DV被害は加害者と簡単には切り離せない人間関係や個別によって違う解決方法や目標設定に複雑さがある点を考慮した加害者更生プログラムとなるべきではないか。
- SNS等のストーカー事件のように、加害者は無自覚であることが大きな問題である。
- 小・中学校に配置されているまなび・生活アドバイザーが、DV関係機関へつなげるよう取組はしている。加害者をつくらないための教育が今後必要であると感じている。なお、高校では人権学習の中で取り組んでいる。
- 男性の被害は、誰にも相談できず深刻化していったケースがある。
- 市町村レベルでは女性相談窓口はあるが男性相談窓口がない状況の中、どこがその役割を担うかが難しい。また、生活支援体制について強化していく必要性を感じている。
以上