京都ジョブパーク 総合就業支援拠点
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「目が悪くなると何もできない」と思われる方も多いのではないでしょうか。
目が悪いと、「視覚情報」が得られないために行動しにくくなりますが、補助機器の活用や周りの人の理解と適切な援助で、働いている方はたくさんおられます。
見えない、見えにくいことで不安を感じている方の生活相談員(京都府視覚障害者協会)鈴木様にお話をお聞きしました。
「まったく見えない」人でも、真っ暗な人もいれば、明るさはわかる人もいます。
「見えにくい」人には、ぼんやり濁って見える人、まぶしくて見えにくい人、視界の中心や周辺が欠けている人、これらの見えにくさが重複する人など様々です。
【パターン1 ぼんやり濁ってみえる】
人の顔や文字がはっきり見えない。
距離感がわかりにくく移動時に段差等につまずく危険がある。
【パターン2 中心に見えない部分がある】
見たいところが見えない。読み書きに支障がある。
慣れた道なら一人で行動できるが、正面から来た人に気づかない。
【パターン3 周辺が見えない(中心のみ)】
細い筒の穴から覗いている状態。横から来る人や足元が見えない。
一部の文字は読めても紙面全体の把握ができない。
以前は視覚障害者の仕事といえば三療(鍼・灸・マッサージ)が一般的でしたが、近年パソコンやIT技術の発達、ロービジョンケア(※)の充実などによって、事務職やサービス業など、様々な職種で働く方が増えています。
注※ロービジョンケア…視機能を最大限に活用する支援を行う眼科医療や福祉のこと
【見え方に応じた対応で仕事を続けられた事例】
Aさんは眼の病気を発病し、自動車の運転に不安を感じていることを会社に伝えるとすぐに休職を命じられました。見えない、見えにくい方の生活相談員に相談したところ、当時の視機能を把握するためにロービジョンケアを行っている眼科を紹介されました。自らの見え方の理解、困難対処の方法、持っている視機能を活かす視機能リハビリテーションにより、就労能力が向上しました。自動車の運転はできなくても、配置転換により復職が可能と判断した眼科医が産業医に対し、文字処理能力、職場で起こりうる事象に応じた対応策を明記した診療情報提供書を提出しました。これを機にAさんが生活相談員と共に産業医と面談でき、運転ができないなら全く何もできないと誤解していた企業担当者に対し、職場での配慮(事務職への配置転換、作業環境整備等)があれば働き続けることが可能なこと、他の視覚障害者が働く現状等を伝えた結果、復職に結びつきました。
視覚障害者の一般職就業率は低いのが現状です。様々な理由がありますが、最も大きな理由は、求職する視覚障害者も、雇う企業も、“目が見えなければできることがない”という考えが先行するからです。長年働いてきた企業を見えにくくなったことを理由に去ることは、視覚障害者本人のみならず、企業にとっても大きな損失です。
視覚障害者が働くことは容易ではありませんが、新規及び継続雇用の実現のために、以下のような方法があります。
☆どのような見え方なのか把握
☆通勤や社内移動の安全確保
☆読み書きをしやすくするための補助具の活用
上記の方法に加え、上司・同僚の皆様にご協力いただくことで、さらに可能性は広がります。
見えにくさへの対応は、専門的な知識を要するため、当事者を中心に眼科医や京都ライトハウス(生活相談及び歩行や音声パソコンの訓練など)、就労支援機関、そしてなにより企業や産業医の連携がカギです。
見えない・見えにくい方が能力を発揮し、安心して働き続けるために皆様のご理解・ご協力をよろしくお願いします。
2017年には、京都府眼科医会と視覚障害者を支援する福祉施設・団体等を構成団体とする京都ロービジョンネットワークが設立され、医療と福祉等の連携も進んでいます。
「見えない」「見えにくい」ことでお困りの方、企業の方は「京都ロービジョンネットワーク総合窓口(外部リンク)」まで是非ご相談ください。
京都ロービジョンネットワーク総合窓口 (社会福祉法人 京都ライトハウス内)
相談時間 月曜~金曜/9時~17時(土曜・日曜・祝日、年末年始休み)
電話:075-462-4400
京都障害者雇用企業サポートセンター
ご利用時間 月曜~土曜/9時~17時(日曜・祝日、年末年始休み)
電話:075-682-8928
ファックス:075-682-8944
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