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トビケラは、幼虫の期間を水中で過ごし、成虫になると水中から飛びたちます。チョウやガに近い生き物で、幼虫はイモムシのような形、成虫はガのような形をしています。河川、特にきれいな河川では、色々な種類のトビケラの幼虫が暮らしています。今回は、京都府の河川でよくみつかるトビケラの幼虫を紹介します。
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京都府の水生昆虫(トビケラ)(PDF:3,729KB)
トビケラの体は、「頭部」、「胸部」、「腹部」の3つからなります。
「頭部」には点眼、触角、口があります。胸部は前胸、中胸、後胸の3つからなり、それぞれに1対の肢があります。「腹部」は10個の節からなり、尾肢があります。
触角の長さや位置を観察することは、みつけたトビケラの名前を調べるのに役立ちます。しかし、多くのトビケラは触角が短いため、観察しづらいです。
下の写真はシマトビケラ科の胸部を背面から撮ったものです。シマトビケラ科では、前胸、中胸、後胸の背面が鎧のように硬くなっていることが分かります。この鎧はキチンという物質でできているので、キチン板とよびます。どこにキチン板があるかを観察することは、みつけたトビケラの名前を調べるのに役立ちます。
トビケラの腹部末端には尾肢があり、その先端には鉤爪があります。尾肢や鉤爪の形状、腹部第9節のキチン板の有無を観察することは、トビケラの名前を調べるのに役立ちます。
多くのトビケラは石や砂、落ち葉などを使って巣を作ります。巣には持ち運びできないタイプと持ち運びできるタイプの2種類があります。
ニンギョウトビケラ科(写真左)、カクツツトビケラ科(写真右)
トビケラの巣の材料や形状を観察することは、トビケラの名前を調べるのに役立ちます。
みつけたトビケラの生態を知るには、まず、名前を調べなくてはなりません。トビケラに限らず生物は、「界・門・綱・目・科・属・種」からなる階級に基づく分類がされていて、界から種へと下の階級に進むにつれ、体の形などが似たグループがまとめられています。
トビケラの幼虫について、属あるいは種まで名前を調べることは非常に難しいですが、科までであれば、肉眼やルーペで名前を調べることができるものも多いです。
次からは、京都府の河川でよくみつかるトビケラを科ごとに紹介します。
(1)カクスイトビケラ科 | (2)カクツツトビケラ科 | (3)カワトビケラ科 |
(4)カワリナガレトビケラ科 | (5)キタガミトビケラ科 | (6)クロツツトビケラ科 |
(7)ケトビケラ科 | (8)コエグリトビケラ科 | (9)シマトビケラ科 |
(10)ナガレトビケラ科 | (11)ニンギョウトビケラ科 | (12)ヒゲナガカワトビケラ科 |
(13)ヒゲナガトビケラ科 | (14)ヒメトビケラ科 | (15)ホソバトビケラ科 |
(16)ヤマトビケラ科 |
特徴
特徴
メモ: 若い幼虫は砂粒で円筒形の巣を作るが、成長すると、四角形に切りとった植物片で四角柱の巣を作る(右下)。
特徴
特徴
特徴
特徴
特徴
特徴
特徴
メモ: 幼虫は巣を作らない。
特徴
メモ: 幼虫は巣の両側に大きめの砂粒をつける(右下)。
特徴
特徴
メモ: タテヒゲナガトビケラ属は触角が短い。
特徴
メモ: 小さなトビケラで5齢幼虫だけが巣を作る(右下)。
特徴
特徴
メモ: 幼虫は亀の甲羅のような形の巣を作る。
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