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春から初夏にかけて、植物プランクトンの作り出す臭気物質により、水道水がカビ臭くなることがあります。
また、クリプトスポリジウムという下痢を起こす微生物や化学物質などによる汚染も指摘され、水道水の安全性に対する関心は高まっています。
このため、多種多様な家庭用浄水器が販売されていますので、家庭用浄水器のしくみや取扱いに関する留意点について述べてみたいと思います。
現在、市販されている浄水器は、主に活性炭と中空糸膜フィルターによって原水を浄化しています。
活性炭は、ヤシ殻等の炭素材を水との接触面積が増加するように加工したもので、汚染物質の吸着を効果的に行います。浄水器によっては、殺菌剤をコーティングした活性炭を使っているものもありますが、その殺菌効果には限度があるようです。
活性炭による処理で問題となるのは、活性炭にたくさんの汚染物質が吸着してくると、吸着された汚染物質が浄水中に高濃度で溶け出してくることがあることです。それを防ぐためには、活性炭を時々交換する必要があります。
中空糸膜フィルターは、セルロース状の物質でできた空洞の糸を束にしたものです。このフィルターに水を通すと汚染物が中空糸の膜に残り、浄化された水が中空糸から出てきます。水の濁りの原因となる細かい赤サビなどは、中空糸膜フィルターにより、ほぼ完全に除去されます。
また、カビや雑菌等もシャットアウトされますが、その効果は必ずしも完全なものではないので過信は禁物です。中空糸膜フィルターも、活性炭同様、長く使っていると浄化効率が落ちてきますので、時々カートリッジを交換する必要があります。
浄水器は、何日も使わずにいると、内部に溜まった水の中で細菌が増殖してしまいます。夏の暑い時などは特に注意が必要です。しばらく使用しなかった場合は、使い始めるときには、溜まった水を十分に流してから使用するよう心掛けてください。
家庭用浄水器にはいろいろな種類があり、アルカリイオン整水器のように水を電気分解する機能を備えた高価な浄水器までありますが、いずれも取扱いに関して注意を怠ると、水を十分に浄化できなくなるばかりでなく、逆に、水を汚染物質や雑菌で汚してしまうこともありますから注意しましょう。
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